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経営とは何か。

  • 執筆者の写真: 竇少杰
    竇少杰
  • 2018年4月26日
  • 読了時間: 4分

経営とは何か。

今日の夕方、同志社大学へ行き、中小企業マネジメント研究センターの1回目研究会に参加してきた。講演者は三嶋亭の5代目当主の三嶌太郎氏と韓国延世大学教授の李志満氏であった。そこで、三嶌社長のご講演の中から、「経営とは何か」という話題があった。

では、経営とは何か。

三嶌太郎社長はこのように語る : 経営は経と営の2文字から構成される。経は「けい」であるが、「きょう」でも読める。営は「えい」であるが、「いとなむ」とも読む。つまり、お経を営むのが経営である。哲学や理念がいかに大事なのかは、経営という言葉から分かる。

実に素晴らしい解釈である。

「お経」は人間で言えば理念や、思い、創業精神、哲学、ポリシー、人生観などであり、企業の経営で言えば、ビジョンや使命、核心的価値観、ポリシーなどである。それを明確にした上で共有することを通じて、すべての社員のベクトルを合わせる。これを実現できる企業は実に強い。これを実現できる企業は「1+1>2」が達成できる。

しかし、世の中の企業を見てみると、もちろん経営を成功している企業はたくさんあるが、「お経」をうまく営んでいる企業はそれほど多くない。なぜかというと、ビジョンや使命、核心的価値観を全社員で共有することは簡単なことではないからだ。どうすれば「お経」をうまく営むことができるのか。

筆者は、「道」と「術」を共に持って経営をしなければならないと主張する。

「道」とは、「お経」のことであり、つまり前述した通り、人間で言えば理念や、思い、創業精神、哲学、ポリシー、人生観などであり、企業の経営で言えば、ビジョンや使命、核心的価値観、ポリシーなどである。これらを企業に浸透していくためには、相応しい企業文化の構築が必要不可欠である。超優良企業である京セラ株式会社、その企業文化の構築で使用されているのが京セラの創業者である稲盛和夫名誉会長が編み出した「稲盛経営フィロソフィ」である。様々な勉強会、討論会、研修会、そしてコンテスト、スポーツ大会(綱引き)などを通じて、全社員に稲盛経営フィロソフィを浸透していき、「全員参加」「チャレンジ精神」「利他の心」「足を知る」「お互いに緊張を持ちながら仕事を遂行していく」という企業文化の構築に成功してきている。

「術」とは、目標に達成するための方法である。再び京セラの事例で言うと、同じく稲盛和夫名誉会長が編み出した「アメーバ経営」であろう。アメーバ経営は京セラの組織のあり方と仕事の遂行方法であり、従業員の「全員参加」を実現させる仕組みでもある。

したがって、稲盛経営フィロソフィという「道」とアメーバ経営という「術」をもって、京セラは1959年創業以来、高度な成長振りを見せ、今でも高い収益率で世界を驚かさせている。稲盛和夫名誉会長の自らの著書にも、「経営フィロソフィとアメーバ経営は車の両輪であり、どれも欠けてはいけない存在である」と指摘する。

しかし筆者は、京セラの事例で言うと、稲盛経営フィロソフィの「道」とアメーバ経営の「術」とをうまく融合させる「道に基づいた術」部分があり、それは京セラのこれまで注目されていない「人的資源管理のあり方」である。仕事は人間が遂行している。従業員たちのモチベーションを、稲盛経営フィロソフィという「道」とアメーバ経営という「術」だけで維持することは無理がある。人間であればどうしても生きていかなければいけないし、そこには生活、そのものという現実がある。したがって給料やボーナス、昇進昇格、査定のあり方などはその生活という現実と直接に結びついているのである。京セラの人的資源管理は稲盛和夫名誉会長の価値観やフィロソフィに基づいて構築されてきており、これはまさに京セラの従業員の仕事に対する高いモチベーションを維持させる重要な「道+術」の融合部分である。この「道+術」の部分がうまく構築できていなければ、稲盛経営フィロソフィの「道」も企業組織の中で浸透できないし、仕事を回していくアメーバ経営という「術」も空転になってしまうのである。

つまり、企業経営は、「お経」という「道」を営むことであり、それを実現するためには、仕事管理のあり方である「術」も要れば、合理的な人的資源である「道+術」も必要不可欠である。

経営とは何か。深いテーマであり、共に考えを深めていこう。


 
 
 

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